Archive for 2月 3rd, 2009

posted by 森田誠 on 2月 3

僕の一日は朝4時から始まりますが
よくよく考えたら15の頃から
こんなことやっていたんですね・・・
訓練所にいた頃から今日まで。

独立してからも
ほとんど休みもなく
出張トレーニングやら
お預かりトレーニングやらで
一日15頭、多いときで20頭近くの犬たちを
トレーニングしてきました。

僕が朝出かけて帰ってくるのが
夜の9じごろ・・・
そのあと、お預かりの犬たちのトレーニングを始めるのですから
終わるのはもう次の日の1時、2時。
そしてまた、明け方から
かっとんでいるのです・・・・

僕の留守の間、お預かりの犬たちの
おトイレと食事の世話は
家内がやってくれていたのですが
ある時いつものようにクタクタになって帰ると
「ラッキーがね、今日30メートル離れても
ちゃんと落ち着いて待ってたよ。」
と、いうのです。

ラッキーというのはゴールデンレトリバーの
1歳の男の子で、体も大きく立派な子です。
性格は明るく、やんちゃなタイプで
まだろくに待つことなど教えていないのに
「どう、やったの?」 と聞くと
僕がやってるように
「ただマネをしただけ」 というのです。

僕が犬たちに接するようにしていったら
どんどんいい関係になって
トレーニングが進んだと言います。

そういえば家内は僕がトレーニングしているところを
見ているのが好きでじっと何時間でも見ていましたから
その間に覚えたんですね、きっと。

これは今から7年まえの話で
このとき以来、
僕の強力な助っ人として
お預かりの犬たちもいっしょに
毎朝4時から夜10時すぎまで
トレーニングに出かけることになりました。

ここで僕が皆さんに伝えたいことは
僕のこのトレーニングは
決して難しくないということと
僕のトレーニングの映像を見て
「僕のマネをする」のが
一番の近道ということです。

「森田さんのようにやっているのに
どうしてもうまくいかない」 という方が
しつけ教室にいらっしゃいますが
僕をまねている方って残念ながら
あまりいらっしゃらないのです・・・

ただ間違えてはいけないのが
形だけをまねてもだめだというこです。
権威と受け止めだけをまねしても
犬たちはいい子になりません。
権威と受けとめを利用して
いい方向へどうもっていっているかというところも
見逃さずにまねをしてみてください。

それからできるだけたくさんの
映像を見ていただいて
しつける感覚を身につけていただきたいのです。

僕の動作やしぐさには
無駄な動きはいっさいありません。
右手、左手の位置、リードの長さなど
犬たちを上手にいい方向へ持っていくために
みんな訳や意味があるのです。

以前、僕といっしょにトレーニングするようになるまでは
家内はピアノの先生でした。
身長も150センチと小柄です。
自分の腰より上に頭が来るくらい
大きな「ラッキー」も
そしてラブラドールの「あずき」も
他にもたくさんの犬たちを
トレーニング してきました。

特別な才能ということではなく
ごくごく、普通の女性です。

あ・・でも、土、日も祭日も
正月もゴールデンウィークもお盆もなく
かっとんでいるこんなハードな僕の後を
ついて回るのですから
がんばりやさんなんでしょうね・・・

家内にも娘にもこれといって
トレーニングを教えたことは
ありません。

ただ質問があったときに
「そのときは、こう、考えるんだよ。」という
アドバイスをしているだけです。

いっしょに生活して困らない犬たちの
トレーニングを身につけることができれば
それは自分自身の宝物になると思います。

みなさんにも、「犬たちといっしょに暮らす」とういうことが
そして、犬たちにも「人間と一緒に暮らす」ということが
「こんなにも幸せなこと」 と感じていただきたいと
思っています。