Archive for the ‘しつけ’ Category

posted by 森田誠 on 2月 14

人間のエゴによって犬たちは・・・

まだ見られていない方たちにぜひ見ていただきたいHPがあります。
それは、僕の古いHPです。

http://www1.ttcn.ne.jp/~dtr-morita/DOG_HP/

このHPにも僕のしつけた犬たちの動画がたくさんあります。

この動画の中に出てくるシェパードとドーベルマンはまちがったしつけのため
凶暴になり、動物管理事務所、
いわゆる保健所で殺される運命にいた子です。

あらゆる犬に噛み付いてきたシェパードの「愛」

シェパードの「愛」は最初の飼い主が訓練士をつけてまかせたところ
その訓練士の訓練方法が食べ物でつる服従訓練と
ほめる訓練と叱る訓練をおこなう訓練方法だったため
その結果、狩猟本能と防衛本能が発達してしまい
非常に攻撃性のある心理が育まれてしまい
数え切れないほど相手に牙をいれ噛み付いてきました。
ある小型犬のしっぽを
食いちぎってしまったこともありました。

その賠償責任の金額は果てしないものになり
飼い主は自宅の日も当たらない裏のすきまに
1メートル足らずの鎖で犬をつなぎ
散歩へも連れて行かない日々が数年続き
「愛」はおしっこ、うんちをもらしその上で数年生活していました。

食事もたまにもらうだけでした。

それを見かねた近所の70歳近い未亡人の方が
あまりにもかわいそうなのでシェパードの「愛」を
幸せにしてあげたいと思い
その飼い主から「愛」を貰い受けました。

未亡人のかたは「愛」と一緒に生活をし、
大きな愛情で「愛」に接しましたが
「愛」の凶暴性は一向におさまりません。

また、板のようにやせこけた「愛」は食事もあまり食べません。

最初の飼い主によってたまにしかもらえない食事によって
食べる気力さえなくなっていたのです。

「愛」そのものが精神が侵され凶暴になり
食べることもできないほど病んだ犬になっていました。

その未亡人の方が僕の噂を聞き
相談の電話をしてきたのが今からちょうど6年くらい前のことです。

そして、その未亡人の方が
「わたしの手では凶暴な「愛」を救うことも一緒に生活することもできない」
と涙ながらに訴えてきました。

なんとか救ってほしい、助けてほしいとの願い出に
僕は「愛」を僕の家族として受け入れることを決意しました。

森田家にひきとられたシェパードの「愛」

受け入れたはいいものの、狩猟本能と防衛本能が強いだけではなく
完全に精神が病んでしまっているのです。

人間で言えば精神病患者です。

こいつの笑顔をとり戻すためにと
家内と娘と僕とで家族の一員、社会の一員としての目的のために
家族一丸となって「愛」の育成にとりかかりました。

ほんとうに大変だったです。

「愛」も僕たちも
「愛」をこんなふうにした最初の飼い主と
訓練士を心の底から憎みました。

「愛」は僕たちの生活のなかで凶暴なため1年近く、
口輪をしての生活と心の育成の矯正をおこなってきました。

その結果、100パーセント家族の一員、社会の一員になることができました。

皆さんがご覧になられた僕のDVDや動画の背景に写っている
ソファでくつろいでいるシェパードの子がその「愛」です。

また、滑り台をのぼり楽しそうに降りてくる子が「愛」です。

また、僕といつもフリスビーを楽しくやっている子が
シェパードの「愛」です。

最初の訓練士はこの「愛」を凶暴にした。
そして最初の飼い主はこの「愛」を精神病に追い込んだ。

僕はこういうことをなくしたいのです。

人間にも噛み付いていったドーベルマンの「ビンテージ」

ドーベルマンの「ビンテージ」の最初の飼い主は
自分のファッションのためにドーベルマンを飼い
警察犬の訓練士に訓練をさせ犬を叱る、絞める訓練をされたため
ドーベルマンの「ビンテージ」は感情を殺し、
訓練士や飼い主からの絞めに耐える若年期を送り
やがて恐怖のあまり自己防衛のために
飼い主や訓練士に威嚇し、牙をむくようになってしまいました。

それを飼い主と訓練士はさらに
「ビンテージ」を絞め上げていった結果
「ビンテージ」は恐怖のあまり飼い主や訓練士の体に牙を入れて
噛み付くようになってしまいました。

警察犬の訓練士は手に負えなくなり
都合のいいことをいって手を引いてしまい
困り果てた飼い主は獣医に相談したところ
その獣医は犬に全身麻酔をかけ、牙を4本とも切断すれば
犬は自信をなくして問題が解決しますよ と、言ったそうです。

そこでまた、飼い主はじゃあ、お願いしますと
牙を4本切断してもらったそうです。

その結果、以前と変わらず飼い主はその後も
「ビンテージ」にガッポリ噛まれ、何十針も縫う大けがを負わされ、
「ビンテージ」は保健所に連れていかれました。

一番悪いのは人間たち

僕は「愛」にしても「ビンテージ」にしても
なにも悪くないと思うのです。

悪いのは、人間のエゴや
ビジネスで仕事をしている訓練士が一番極悪だと思うのです。

感情というものは、お金では計れません。

僕は15歳で有名警察犬訓練所に見習いで入所し6年半修行をし
独立したけれども犬の感情をお金に代えることができなくて
生計は他で立てながら、10年くらい犬のしつけトレーニング、
訓練そして研究、科学、育成を無償でやっていました。

これが僕の人生であり生きがいであり価値観なのです。

心を閉ざしたドーベルマンの「ビンテージ」

「ビンテージ」は保健所で暗いコンクリートと鉄格子の中
殺される数日前に命を救うボランティアの坂名井氏に
助け出され、保護されました。

その後、心ある若いご夫婦に里親として迎い入れられました。

やはり、精神が病んでしまった「ビンテージ」は
人間に対して牙をむくことしかできませんでした。

そんな中 噂を聞き、僕のところへ相談の電話が来たのです。
僕がはじめて対面したとき感情に完全にふたをし、
心を閉ざしてしまった3歳半の「ビンテージ」でした。

若い里親さんからこの子を救ってほしいという心の底の願いに
僕と家内が一丸となって「ビンテージ」の心の中に入り込んで
いくことを決意したのですが「ビンテージ」のガードは固く、
いっこうに受け入れてもらえる様子はみじんにもうかがえません。

12月、1月、2月と寒空の中、
ありとあらゆる角度から「ビンテージ」に接しても
なんの反応も返ってきません。

まるで銅像に接しているのと同じ状態なのです。

僕と家内はたくさんの犬のしつけや育成をかかえながらも
「ビンテージ」の心理の中に入り込み
明けても暮れてもその間の寝ているときも
「ビンテージ」の心理が飛び出てきて
すべてが「ビンテージ」のことを考えていた毎日を送った結果
とにかく受け止めよう、
「ビンテージ」の感情を僕の愛情で受け止め
硬く閉ざした心を溶かそうと考えたのです。

「こいつを救える」と確信した瞬間

毎日、毎日寒空の中、銅像のように心を閉ざした「ビンテージ」を
受け止めていった、ちょうど半年後
初めてうれしいというしぐさを少しだけ見せたのです。
石のようだった「ビンテージ」がほんの1、2秒うれしいと
感情が動いたことを僕は見逃しませんでした。

この瞬間、僕は「こいつを救える」と確信しました。

石像のようになってしまった犬を半年間
ただ、ただ「受け止めるだけ」ということにはいろいろな格闘がありました。

でも、あの瞬間から雪崩れがおきるように
「ビンテージ」の心の感情が崩れ人間の愛情を信頼していいんだねという
アピールが返ってくるようになり

「ビンテージ」の育成をうけおってから
半年後にいい方向へ進みはじめました。

豊かな感情をとり戻した犬たちと僕の家内のこと

そこから数えて1年たった時の
殺されるはずだったドーベルマンの「ビンテージ」の姿や
シェパードの「愛」の姿が僕の古いHPの動画から
見ていただくことができます。
動画の一番さいごの3、5、6コマ目です。
「ビンテージ」といっしょにいるのは僕の家内です。
犬のしつけ、トレーニングを志してまだ3ヶ月たらずのころです。

僕の家内は42歳くらいまで犬にたずさわることもなく
ピアノの先生をしていました。

でもなぜか、僕と同じ仕事がしたいと言い出し
いつもいっしょについて来るようになり
僕の犬をしつけ、育成をするのを見て
教えてもないのにできるようになってしまいました。

犬たちを幸せにするのは「飼い主」さんたち

話が脱線してしまいましたが
僕は人と犬との豊かな生活を極めていきたいのです。

命の重みって生命あるものすべて同じだと思うのです。
それを大切にしたいと考えているのです。

僕は犬をこの現代社会のなかでしあわせに過ごさせてあげたい
そしてその子と出会えてほんとうによかったという
しあわせを感じたいのです。

精神の病んだ子を救うのは僕ではなくて
飼い主さん自身です。

また、愛犬も僕たち人間とおなじ感情をもち
ストレスの反応や、心理も僕たちとおなじです。

犬だからといって犬の精神を病ます
接し方や管理を絶対にしてはいけまでん。

僕自身、この命あるかぎり人間のエゴで
殺されてしまう犬の命を
また、すべての命を そしてしあわせを願う目的にむかって
精神誠意頑張っていきたいと常に思っています。

現在夜中の12時13分です。
また4、5時間後には起きて一日がはじまります。

時々、お問合せで愛犬をかまってあげる時間もなければ
お散歩もほんの数十分しか行ってあげてない飼い主さん
しっかり反省していただきたいと思います。

あなたは仕事で疲れたかもしれないけれども
あなたの都合で迎い入れた愛犬はずっとあなたの帰りを待っていたのです。

愛犬の感情のニーズ そして行動のニーズを
しっかり満たせてあげてほしいと心から願います。

犬たちはほんとうに人に心の豊かさと幸せを返してくれます。

そんな犬たちのために
僕はいつも一生懸命でいたいと思っています。

posted by 森田誠 on 12月 22

 

 

リードは犬に自分の気持ちを伝えるための道具なのです。

よくリードで犬を押さえつけて歩いている方
また、犬の行く方、行く方に引きずられて
犬にお散歩させられてる方など見かけることがありますが

リードは犬を抑制するための道具ではなく
犬にだめだよということを、つまり
犬の心理にドキッと「伝えるための道具」なのです。

しつけをし始めたら、家の中でも
リードをつけておくといいと思います。
犬のダメな行動や心理には
リードを利用して「だめ」 ということを伝えます。
「権威」を使ったときなど、犬が都合のいい場所、
たとえば、机の下などに逃げ込まないように
リードは必須です。

逃げ込む子には愛情の方だよという気持ちを
リードの先を持って自分の愛情のほうに
誘導してあげます。

逃げ込むことによって、
防衛本能が育まれててしまうので要注意なのです。
しつけの時間が終わっても
リードはつけっぱなしにしておいた方がいいです。

しつけが終わり、「はい、おしまい!」と
はずしてしまうと、リードのついている時と
ついていない時との、区別を覚えてしまうこともあります。
それに、リードがついていることによって
リードが「権威」となるため、犬の心理のいい状態が
多くなり、受け止めてあげられる回数も多くなります。

リードは「伝えるための道具」です。
上手に使って、犬とのいい関係を築いていきたいものです。

posted by 森田誠 on 12月 11

「さあ、しつけを始めよう」 と思って「よしよし」 してるのに
犬がそっぽをむいたり、後ろをむいてしまったり
犬の性格によって、いろいろな反応がありますが、
うまくいかないな~と
思っていらっしゃる方も 多いと思います。

でも、考えてもみてください。
今まで自由奔放にしていられたのに
ある時、首輪に指をかけられて自由にならず
「よしよし」なんて、してもらっても・・・・?

気質の弱い子は「え?何?」と
戸惑うかもしれないけれど、
気質の強い子は「この俺様に何をするんだ?」
「やめろよ、やめろよ」と反発してくるわけです。

それに、リーダーの周りは「安全」だということも
まだ、知らないのです。

ですからまず、リーダーの周りは安全で暖かい場所だという
経験をさせてあげましょう。
何回も、何日もその子にあわせてベースを作ってあげることです。

そして、リードをゆるめて勝手な行動をとったときなど
チョン、と権威をつかうと、びっくりしますよね。

その子のびっくりした気持ちをリーダーの愛情で
すくってあげるのです。

びっくりして怖いと思う気持ちを
「はい、よーしよし」 と自分の愛情の方に誘導する。
そして、受け止めていくと
「なんだか、居心地がいいところ」 と感じてくるのです。

居心地がいい、悪いくらいは犬もわかりますから・・・

リーダーの愛情が 居心地のいいところであればあるほど
不意の権威にドキッとした時、
「リーダーのところに行って安心したい」
「早く居心地のいいところにいきたい」 という気持ちが発生します。

さらに 受け止めて犬の緊張をとっていくと
人と犬との間に「信頼関係」ができるというわけです。

最初は「うけとめ」をして、知らんぷりされたとしても
あきらめないで、居心地のいい場所を
とにかく 「伝えて」ください。

しっかりとしたその「愛情のベース」があるからこそ
「従いたい」 という服従性が発生するのです。

犬にとってリーダーとは・・・・・

「つよくて、こわくて、やさしくて、あったかいひと。」

そんなリーダーになりたいですね。

posted by 森田誠 on 12月 8

 

 

僕のしつけマニュアルを
購入していただいた方たちに
DVDをご覧になるときの
アドバイスをさせていただければと思います。

ご覧になられると
「受け止め」の部分が大変長く入っているのが
お分かりいただけると思います。

以前にも申し上げたように
「やり方」ではしつけはできません。

「受け止め」をしないで
「やり方」に走ると
犬は確実に悪くなっていきます。

今まで、たくさんの方たちに
ご説明、ご指導をさせていただきました。

そのたびに「受け止め」の大切さを
伝えているのですが、それでも
「権威」に走ってしまう方が非常に多く、
ほとんどの方が「受け止め」が足りていない状況です。

たとえばDVDの中の「受け止め」のところで
「このまま10分受け止めをしてくでさい」
「20分受け止めてください」と 音声でコメントを入れたとしても
みなさん、頭ではわかっていても
「受け止める」習慣がついていないので
どうしても 「やり方」、
つまり「権威」、 「権威」にはしってしまうのです。

 

DVDでは「受け止め」の同じ映像がずっと続くので
早送りで見ていただいても結構です。

早送りでやっても、やっても「まだ受け止めている」・・・・

プロである僕でさえ、これだけの「受け止め」の時間が
必要だということをわかっていただきたいのです。

ですからあえて この長い「受け止め」の映像を
あまりカットをせずにご覧いただいています。

「権威」だけで
いい心理の犬ができるのであれば
僕もそうしています。

長い「受け止め」は、場合によっては
早送りで見ていただいてかまいません。

 

ただ、その「受け止め」の必要性と
それによって
犬がどう変わっていっているのか、
また変わってきた犬を
どうやっていい方向にもっていっているのか
僕のしつけているところの
そのままの、全ての映像をご覧になって
その感覚をぜひ、身につけていただきたいのです。

posted by 森田誠 on 12月 6

 

柴犬など、気質の強い犬を飼われている方から
「自分の犬に本気で咬まれますがなおせますか?」
という 相談を受けることがあります。

そういった子でも、基本的には
服従性豊かな子にすることはできます。

ただ、叩いてしつけようとして
攻撃性を出させてしまった子は
難しい場合があります。

もし なおしていくとすると
そういう子たちは
「いやなことに対して自己防衛」で咬んでくるわけですから
「いやなことに対して、受け止められる喜び」を育み
そこで信頼を結んでいけば
「いやなことに対して従順な心理の子」に変わります。

たとえば足を拭かせない柴犬がたくさんいます。
特に柴犬の足には敏感な神経が通っていて
足を触られることに対して
不安と恐怖で自己防衛をしてしまうのです。
それを何とか無理やり拭こうとするから
自己防衛のために咬むようになってしまいます。

いやなことに対して従順な心理を育めば
足を拭くことも簡単にできるようになります。

ただしつけを行っていくのに
そういった気質の強い子は
首輪のショックを使うと よけいに
自己防衛の心理から攻撃的になりますから
ねばりのある権威をつかって
受けとめをしっかり行って
信頼を築いていけばいいのです。